『契約』恋愛
「じゃあ、お昼休みにまたここ来るね。」
そう言い残された屋上に、ガチャンというドアの閉まる音が響く。
俺もよかった、なんて、
言えるわけがない。
雪乃が好きだ、なんて、
伝えられるわけもない。
今はまだ『契約』期間中…
『契約』期間中に“好き”なんて言葉は、絶対にタブーなのだ。
でももう少し…あと数日で、その『契約』は終わる。そしたらすぐにでも、雪乃に気持ちを伝えよう。
“雪乃が好きなんだ”と、ハッキリ。
今まで誰にも言ったことのない言葉を、想いを込めて。
今度は雪乃と
ちゃんとしたカタチで
ちゃんとした恋愛をしたい。
俺の自惚れかもしれないけど、きっと雪乃も、喜んで受けてくれると思うから――…