『契約』恋愛
ズキンズキンと、鼓動にあわせて痛む頭。
震える両手で頭を支え、その場で両膝をついた。ドンと鈍い音がやけに大きく響く。
息苦しい…
視界が霞む…
ドアが開けられるとともに部屋に入ってきたお母さん。その青白い顔が、今の私の状況を物語っていて。
「雪乃っ!」
悲痛な、私を呼ぶお母さんの声。
哀しげな瞳が、朝の風春とかぶる…
次第に薄れていく意識の中、頬に伝った涙。あたたかくも切なげなその感覚に、余計涙は止まらない。そして遂に、ふっと体の力抜けて…。
「雪乃っ!しっかりして…」
お母さんのその言葉を最後に、私の意識は闇に堕ちた。