『契約』恋愛
「…1人で、大丈夫?」
案の定、発せられた問いに、
「あはっ。心配しすぎだって。第一診察室すぐそこだよ?全然1人でヘーキだってば。」
振り向いて笑顔で返す。
するとぎこちない笑みが私に向けられて…
「そうね。大丈夫よね。」
「うん。じゃ、行ってくる〜。」
静かに閉まったドアを背に、私は小さくため息をついた。
お母さんにあんな顔させたいわけじゃないんだ。でも、最近のお母さんはいつもあんな感じ…。
私が倒れた瞬間を目の前で見たせいか、私のそばにいるときはずっと、不安がお母さんを包んでる。
私が痩せていくのと同時に、お母さんも次第にやつれてきているのがわかって、何だかとても胸が痛い。