『契約』恋愛
お互いの指で光る、ペアリング。
俺たちの恋の、道先案内…。
「ありがとう、風春。」
「おう。
…んじゃ、そろそろ次行くか。」
向けられた、はにかんだような笑顔。照れを隠すため勢いよく立ち上がる。
クスクスとこぼれる雪乃の笑い声に余計恥ずかしさは増し、顔を背けて手を差し出した。
「それじゃ、少し遅めのお昼にでも行こう?」
「…りょーかい。」
嬉しそうな雪乃の表情を盗み見て、思わずゆるむ俺の頬。
先ほどよりも幾分温かさを感じるつながれた手に、とりあえず一安心。
……―――でも。
「雪乃っ!?!?」
安心したのも束の間、一歩を踏み出した途端に雪乃の膝から力が抜けた。