『契約』恋愛
side:/ YUKINO
机に向き合い、英語の宿題と格闘中にふと思い出すのは、今日の帰り道のこと。佐山君の質問に、心臓が飛び出るくらい驚いた。
何でそんなこと知ってるのか、
何でそんなこと聞くのか……。
隠し通してきたことが、ついに佐山君にバレてしまったのかと思い、内心かなり冷や汗ものだったし…。
だって、そのうち終わる私たちの『契約』恋愛だよ? 佐山君にとってはどうせ遊びでしかない私のことを、彼は知る必要もないし、知る意味もないんだ。
それに。
もし私が秘密を話したとしたら、きっと佐山君だってアイツみたいになっちゃうんでしょ…?
思い出したくない記憶の断片がよみがえると同時に、急に痛み出した頭を抱えこんだ。