『契約』恋愛
それと同時に、私は本気の恋愛をしないことを決めたんだ。
だって私には未来が見えないから。
そんな私と一緒にいたら、その人が不幸になるに決まってるじゃない。
それに、いつ死ぬかわからないような私に、恋愛する資格なんてないんだよ。
痛む頭に、先程よりも鋭い痛みが走る。抱え込んだ頭を起こすと同時に襲ってくるめまい…。
さすがにちょっとヤバいと感じて、後ろにあるベッドに横たわる。そしてゆっくりと目を閉じると、心なしか痛みが和らいだ感じがした。
目を閉じた真っ暗な視界の中、不意に思い出したのは佐山君の顔…。そして帰りの会話が、また頭の中で繰り返される。