『契約』恋愛
人は死ぬとき一人だっていうけど、確かにその通りなのかもしれない。
見えない未来を恐れて、みんな遠ざかっていくんだから。
まぁ私の場合、自ら一人を選んでいるんだけど。
見え透いた同情ならいらない。
ヤスい慰めならいらない。
突き放されるのもごめんだ。
だから私は一人で死んでいくだろう。
そのために、人との深いつきあいをやめてきたんだもん。
もともと、高校生まで生きられるかわからなかった命。ここまで生きてきて、何の悔いも未練もない。
だから。
今更死ぬのなんて怖くない。
私は何も恐れない。
事実を知った日からすでに、あてにならない希望は捨てたんだから。