『契約』恋愛
「…佐山君だってサボリのくせに。」
そう私がつぶやいたのをあまり気にしていないのか、ただ聞いていなかっただけなのか、佐山君は私の隣に腰掛ける。
そして私と同じように背中をタンクに預けると、彼の視線は私を捉えた。
「雪乃さ、三時間目からずっとココにいたのか?」
「へ?」
不意に問われたことに、何でそんなこと聞かれるのかがイマイチわからない。
でも、真っ直ぐと私を捉える瞳を見て、自分が保健室で一時間過ごしたことを思い出した。
…でも。
保健室で寝てた、だなんてこと、言うわけにはいかない。