『契約』恋愛
数秒の間のあと、佐山君はゆっくりと口を開く。
「…“永遠”って、あると思うか?」
私の方に振り向き、またもや真顔で問いかけてくるのはいいんだけど。
「…なんか、すっごく唐突だね。」
突然すぎるうえ、脈絡のない問いに、思わず笑みがこぼれる。さっきまでの気まずい雰囲気が嘘のようだ。
「ん。ちょっと空見てたらそんな疑問が浮かんできたんだよな…。 で、どう思う?」
どう思う?か…
でもそんなの、私に聞くまでもないよ。
「“永遠”なんてない。そんなの、存在しない。」
私はそう、きっぱりと言い切った。