『契約』恋愛
「おー…。空ってこんなに青かったんだな。」
私のつぶやきを聞いていたのか、そんな佐山君の言葉に私は彼に視線を向ける。
「俺、こんなにちゃんと空見上げたことなかったわ。」
あはは、と笑みをこぼしながらそう言う佐山君に、私の頬も自然とゆるんだ。
「私、この青い空が好きなの。それで、いつも空のように広く、自由でありたいな、なんて思ったりしてね。」
和んだ雰囲気の中、思わずこぼしてしまった言葉、私の理想…。
言ってしまってから、ハッとして口を押さえる。
…何言っちゃってんだろ、私。
私がどうありたいかなんて、佐山君には関係ないこと。こぼした言葉に少し恥ずかしくなり、顔が上気するのがわかった。