『契約』恋愛
給水タンクにもたれ掛かり、ゆっくりと目を閉じた。別に眠い訳じゃねーけど、何となく。
どうせあと少しで授業も終わるだろうから、この静寂もまもなく終わるだろう。だから、たまにはこの静寂を堪能してたくもなる。
でも。
そんなことを考えていた俺の耳に、入り口のドアが開いた音が聞こえた。それと同時に、ゆっくりと近づいてくる足音と気配。
先生だったらヤバいななんて思いつつ、ゆっくりと瞼を開く。
すると、俺の予想を覆すが如くそこにいたのは。
「…玲奈……」
にこりと笑みを浮かべながら俺の目の前に立つ、玲奈だった。