僕と幽霊タムラ
「ただいま。」


居間を開けると母親と父親が居た、母はテレビを観てお茶を飲んでいる、父は酒を呑んで寝ている。


「遅かったね、ご飯は?」


母はお菓子を食べながら言った。


「いいや、疲れたから二階に上がるよ。」


母はその言葉を待っていたのか、それ以上は聞いてこなかった。


居間の戸を閉め、二階に上がった。


二階に上がると、中は男の部屋らしく色々な物が乱雑に置いてある、反対にそれが落ち着きもした。


特にこれと言って趣味もなく、マンガ本以外は特に何も無いが、散らかっていた。


いつものことのように、なんとなくテレビをつける。


テレビではニュースをやっている。


相変わらず、少年が身内を殺しただの、自殺だの、借金だの、暗いニュースばかりだ。


この先の明るい未来はあるのだろうか、そんなことばかり伝えられたら、この世界に希望を持てない気持ちにさせる。


ただ気持ちが暗くなる情報ばかりだ。


そんな現実に目を背けるようにテレビのチャンネルを変えた。


違うチャンネルでは、恋愛ドラマをやっていた。


テレビを見ながら、クローゼットを開け制服をハンガーにかけベッドに座った。


「んな、こんなことありえないやろー。」


ブツブツ言いながら、ドラマを観ている。


人は現実ではあり得ないことに安心をし、期待しているのだろうか。


これはこれでキツイ、、。
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