僕と幽霊タムラ

再会

「ジリリージリリー!ジリリージリリー!」


いつもの時間にセットしている、目覚ましが鳴っているようだ。


シュウトはベットから手を伸ばして、目覚ましを止めた。


いつに間にかベットでテレビを見ていたら、眠ってしまったようだ。


テレビはついたままで、深夜番組から朝のニュースに変わり占いをやっていた。


「今日のさそり座のあなたは、、8位!今日は仲間との交流を大切に!ラッキーカラーは赤!9位はてんびん座、、。」


そんなの気の持ちようだとわかっていながらも、自分の運勢はチェックしてしまう。


「シュウト起きてるー?」


いつもの時間に母親が下から叫んでいる。


「はーい、起きているよ。」


テンション低めに答えた。


そして、だるい体を起こし窓から外を見上げた、今日も晴れのようだ。


シュウトはクローゼットから制服を出し、学校の準備を始めた。


「シュウ!起きてる!?」


さっきより大きな声で下から呼んでいる。


「ハーイ!起きてるって!」


負けじと大きな声で答えた。


急いで制服を着て、また親から呼ばれないようにわざと足音させながら階段を下りた。


階段を下りると、顔を洗うため洗面所へと向かった。


洗面所に行くにはキッチンを通らなくてはならない。


そのキッチンは狭く綺麗とは言えなく、キッチンのテーブルには色々な物がのっていた。


お菓子、昨日の食べ残し、コーヒーメーカー。


そこで母親がバタバタと朝食を作っていた。


「おはよう!」


そう僕はは言うとすぐに洗面に入り顔を洗った。


相変わらず、うちのタオルはゴワゴワで顔がガサガサした。


「かぁさん、いいかげんこのタオル捨てようよ、、。」


キッチンで朝食を作る母に一言言ったが、どうも聞こえていないみたいだ。


「ふぅー、、。」


洗面所から出て、もう一度言おうかと思ったが口論になると面倒だと思い、居間へ向かった。


テーブルの自分の席には朝食が並べてあった。


その向いに座る父親の席には、食べ終わった後の茶碗が残っていた。





< 11 / 26 >

この作品をシェア

pagetop