僕と幽霊タムラ
そんな屋上のその空を見ると、なんだか小さなことを考えているのでは?と思わせてくれる。


だから、ここに足を運んでしまう。


「ふぅー。」


今度はさっきより深いため息が出た、最近はどうもため息が多くていけないや、そう言いながらまた、ため息が出そうになった。


「若いのにため息なんて、いけないなー。」


また、男の声。


また背筋がゾクッとし、さっきまでの幸せ感を忘れさせ、怖さと寒さで背筋がゾクゾクしていたが握った手には汗をかいていた。
さっきよりも辺りは暗くなって、先よりも確認が困難で怖さがより増した。


汗ばんだ手のひらをぎゅっと握り締め、また、辺りをくまなく探した。
この屋上には隠れるような場所は無いはずなんだけど、、。


「あっ!」


よく見たら3階に下りる階段のところに人影があり、こっちを向いているようにだった。


さっき見たはずだし隠れれる場所じゃないおかしい、、。これは、もしや幽霊。
少年はあまりの怖さに心臓がバクバクしていた。


こういう時に限って、怖いテレビや映画で観た、ストーリーや場面を思いだしてしまう。


ということは、この後はあんなことになり、僕は僕は、、。


ホラー映画の結末を考えると怖くなり足がガクガクし、マフラーをする季節にも関わらず、握った手はさっきより湿っていた。


「誰ですかー?」


いやいや、幽霊はないでしょと、冷静に思い直し勇気を出して尋ねた。


「えっ、俺の声聞こえるの?」


男は驚いるようだで、さっきより声が高かった。


「何言ってるんですか?当たり前でしょう。」












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