僕と幽霊タムラ
「いったい、大人の事情って何なんですか?」


そこは聞かれたくないことわかっていたが、興味があり聞いた。


「なんだよ、そこは突っ込むなよ!まだ、言えないな、シュウちゃんが大人になったらね!」


案の定、タムラは教えてくれなかった。


僕はつまんない顔をしたが、その時はこれ以上聞こうとは思わなかった。


「今後どうするんですか?このまま、彷徨ってるつもりですか?」


タムラは少し考えていた。


「成仏したいんだけど、今は特にわからないなぁー。」


困ったように、頭を掻いている。


「えぇー、わからないって、、。」


「だって、何で自分が成仏できないのかシュウちゃんから言われて、やっとわかったもん!」


「そうでしたね、、。」


「成仏できない理由は何となくわかったけど、どうすればいいか、今はわからないし。」


タムラは腕を組んで、ため息をついた。


「ため息ついたら、幸せが逃げていきますよ!」


僕は理由について聞かなかった、聞いても言わないだろうと思った。


「これは、一本取られましたな!」


タムラはいつもの笑顔に戻っていた。
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