僕と幽霊タムラ
「では、はじめ!」


その声で一斉にみんながテストに取り掛かった。


「はぁー、、。」


まったくわからない問題ばかりだ、決して成績は悪くはなく普通だが、この数学はわからないし、この間やったばかりの問題のテストで全然わからない。


ふと、さっきまでタムラが居た方へと向いて見ると、そこにはタムラは居なかった。


周りを見渡してみると、タムラが教師みたいに教室を回り、生徒のテストを見ている。


なにしてんだかと思ったが今はテストのことでいっぱいだ、、。


教室の時計を見てみると、もう残りの時間が迫っていた。


「何してんだー!小田君!もう時間は迫っているぞ!」


明らかにタムラの声だと気付いたので、無視をしてテストに集中した。


「何だよー無視すること無いじゃないかよー!」


周りはもちろん静かで、声を出せばまた変な目で見られることは違いなかった。


文句を言いたい言えない状態にイライラし、頭を掻いた。


「仕方ないなー。そんなにわからないのかよー、、。」


そう言うと僕のシャーペンを取るとテストに答えを書き始めた。


「これは、こうでだねー、、。」


そうか、さっきまでみんなの答えを見てたんだから、答えはわかるはずだし、この人も大学に行ってれば中学生の問題なんて簡単だろうと思った。


「では、終わり。後ろから集めてきて。」


そうやってなんとか、テストが終わった。


(キーンコーンカーンコーン)


放課後のチャイムが鳴り、今日も屋上へと向かった。


「今日はアリガトウ、助かりましたよ。」


あまりお礼とかい言い慣れていず、恥ずかしながら言った。


「いやいや、俺も久しぶりに頭動かせたしね。」


「そうなんですか、数学は学生の頃は得意だったんですか?」


僕はニコニコしながら聞いた。
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