僕と幽霊タムラ
「死のうとしてたんでしょ?」


男はあごに手をやり、知ってるんだよと言わんばかりに顔になった。


いや、そう見えたがけかもしれない。


「なんですか、そんなことしてませんよ!」


なぜか感情的に答えてしまった。


胸が音が聞こえるくらい、ドキッとした。


「そうか、それならいいんだ。」


男は僕が感情的に言ったことに焦り、納得してなさそうだったが、この話を止めた。


話をしているうちに辺りはだんだん暗くなって来て、オレンジの空が闇に染まるところだった。


「寒ー。」


思わず寒さに声が出る。


暗くなるにつれて気温も下がっていき、秋の風が二人に当たった。


屋上の辺りには障害物は何も無く、風がいつも強い。


「ハックション!!」


今度は怖さで無く寒さに震え、身震いがした。


「あのー、帰ります。」


このままでは、風邪を引いてしまうし、何しろこの状況から脱出したかった。


「おぉ、そうか気をつけてね。」


男は一瞬寂しそうな顔をしたが、先ほどの笑顔に戻った。


引き止められなくて良かったと、少年はホッとした。


「あのー、夜空は学校じゃなく、他で見てくださいね、、。」


寒さに手を交わらせ肩をさすりながら言った。


「はーい。」


男はあくびをするような感じで言った。


この人たぶん懲りずに来るな、来たら面倒だ一時はここには来れないかもなと思った。


僕は男に軽く頭を下げ、3階へと続く階段の方へ向かった。
やっと帰れると、ほっとして足早に急いだ。


「ねぇ!」


男が呼んだ。







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