僕と幽霊タムラ
「いきなりだなぁー、俺に興味が湧いてきたか?」


男はニヤッとし、その後、目を閉じあごに手をやり考えている。


「んー、んーと。」


男は真剣に考えているようだ。


「価値観が同じな人かな、やっぱりここが一緒じゃないと長く付き合えないよね、、。んでさ、、、。、、。」


「価値観ですか、、。」


男は説明をし始めようとしていたが、僕はすぐに返事をした。価値観と言われても男が好きなのか女が好きなのか判断が出来いし、理由とかどうでも良かった。
話の途中にも関わらず、次の質問をした。


「なら、何フェチですか?」


僕は恥ずかしながら下にうつむきながら小さな声で聞いた、これならわかるはずだと思った。


「はははっ!恥ずかしいなら聞くなよ!」


男は嬉しそうに大きく笑った。


「そうだなー、やはり手だよなー!だってさー、、。、、、。」


僕はエッという顔をした、てっきり男なら胸とか足とかいうだろうと勝手な想像をしていた。


「あのっ!!!」


また、男の話の途中にも関わらず、大きな声をあげた。


「はい!!」


男も突然大きな声にビックリし、思わず大きな声で返事をした。


「変なこと聞いて悪いんですが、男と女どっちが好きなんですか?」


僕は不自然な笑顔でさっきよりモジモジして、結局は直球に聞いた。


「はははっ!何だそんな心配していたのか、俺は女しか好きじゃないさ、俺は変な意味なく、ただ名前を知りたいだけだよ。」


男はもちろん笑顔だが、信じさせるためなのか声は落ち着いていた。


「シュウトです、、。小田シュウト。」


少し不安だったが、ここまで引っ張って言わないのも何んだったし、名前教えたことでどうにかなることもないだろうと思った。


「そうか、シュウちゃんね。俺は田村ハヤトです。」


タムラは嬉しそうに言った。


「では、タムラさん帰ります。」


自己紹介で話が盛り上がることなく、用は済んだでしょと言わんばかりに言った。






< 6 / 26 >

この作品をシェア

pagetop