僕と幽霊タムラ
「はぁー、はぁー。」

ずっと、外に居たので手は冷たくなっていた。


グランドの横にある正門から、学校を出ると外には坂道にポツンポツンと外灯があり、それを下って行かなければならない。


寒いのにここから自宅まで歩いて30分は掛かる、いつものこととは言え、それを考えると憂鬱になる。


そう考えても歩かなけれどうしょうもないと諦め、学校から坂を下った。


その坂を通る車が僕をライトで照らしては追い越して行った。


それを見てはこの時だけは早く車に乗れる歳になればいいのにと思う。


そのことを親や大人に言うと20歳過ぎれば、いやでも歳はあっという間に50よと言われる。


それなら、一生大人になりたくないと思うがそんなことあるわけ無いじゃんと、その言葉を聞くために思う。


やっとの思いで、坂を下ると店が何店舗か集まっている場所ある。


そこにはいつも駐車場は満杯で、この付近に店が何も無いことがわかる。


その店の一つはコンビニでなんの用も無いであろうに、自分より歳の若者がわけのわからないことで騒いでいた。


怖い怖い目を合わせたらなにされるかわからない、そう思いながら視線を合わせず通り過ぎた。


その場所から少し歩くとシュウトの住んでいる住宅街が見えてきた、まだそこから坂道を15
分くらい歩かなければならない。


「ふー、、。」


やっぱすぐ歳をとってもいいや、早く車に乗れる歳になりたい。


隣の車通りを車が何台か追い越しては、すぐに何メートルも先に走って行った。


それにしても、静かだ。


夜となると何台のかの車は通るが人とは全然合わない。


「寒い、早く帰って寝たい、、。」


ようやく自宅に着いた、玄関には電気がついていた。


自宅は木造の二階建てで、築30年の普通の家だ。


玄関を開けるといつもの風景に安心した。


靴を乱雑に脱ぎ捨て、家と上がるといつものように家族が集まる居間へと向かった。


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