せぴあな鼓動~せぴあなタメ息②~
歌うって
テンポの良いキラキラした曲に
類の、
空気を孕んだ力強い声が
響く。
類の頭の中はだんだん白く
染められていっていた。
酸素が体の中から、
ことに
頭から不足して酸欠状態なのだ。
歌うといつもこうなる。
友之の、
『歌ったあとも自力で家に帰れる
くらいの余力は残しておけ』
そう、偉そうに怒る顔が
目に浮かんだ。