せぴあな鼓動~せぴあなタメ息②~
類は意識が突然戻って、
目の前にいる人をじっと見ていた。
「えと。類?だよね。大丈夫か?」
短い金髪をキレイに立てたヒト。
かわいい感じに整った顔
覗き込む瞳の色が、
黒、というより緑に見える。
「誰?」
「うん~そうなるかな。
オレはたまたま廊下を通りかかった、
ただのいちボーカリストのユウヤです」
にこやかに、面白そうに彼は言った。
どうやら自分は控室に寝ているらしいことに
類は気づいた。
「もしかして、
あたし、
また階段から落ちそうになってた、
とか?」
ユウヤは、ニンマリと笑った。
「いや、オレが気づいた時はすでに
落ちるとこで、オレは助けるの間
に合わなかった」