せぴあな鼓動~せぴあなタメ息②~
「池田友之。
エリカが今、狙ってるんだけど、
木崎さんがもしかしたら彼女かも知れないって、
エリカが悩んでるの」
そのエリカちゃんのためになら、
あたしはあらぬ疑いをかけられて、
嫌な思いをさせられてもかまわない。
ってことね。
類はちょっと頭にきた。
「違うけど」
「本当に?隠してない?」
目の前の名前覚えてない彼女に、
隠し立てするほどの
義理もないんだけど。
めんどくさい。
「片思い中です」
類は言って、
本に目を戻した。