My darlin' Scientist〜私の彼氏は変わり者〜
その後、私は用事があるからと定時で退社し、麻里奈と合流して行きつけの居酒屋へ駆け込む。
とりあえず生ビールを注文し、私が口を開こうとしたら先に麻里奈が口を開いた。
「うらやましい!」
……なんだって?
「だって桂木所長ってうちの会社の独身男性の人気トップなんだよ!?多少変わり者でもいいからお近づきになりたいわ〜」
運ばれてきたビールで乾杯をし、のどを潤したあと、麻里奈は続ける。
「慎悟様狙いの先輩方から妬まれるだろうから気をつけなよ?今日のこと会社中の噂になってたからさ」
運ばれてきた鶏の軟骨揚げを食べようとしていたところだったが、軟骨は箸から逃げてしまう。
「そんな人気なの?あの所長…」
「早百合もあれ以来そういうことに鈍くなっちゃったからね〜。隠れファンは多かったみたいだよ」
明日からの生活への不安で、大好物の軟骨揚げものどを通らない。
…なんてこったい!