My darlin' Scientist〜私の彼氏は変わり者〜



そして翌朝。
会社へ向かう足取りは重い。

よっぽど有給を使おうかと思ったけど、それもまたなにかに負けた気がする。



毎日通っていた本社への道を少し逸れて、研究所に向かう。

すれ違う人にはかなり見られている気がする。

研究所は男性社員ばかりなので、かなり目立つみたいだった。



「早百合ちゃん!おはよう〜」

脳天気な声が聞こえて、その方向を見ると桂木所長と、もう一人が近づいてきた。

まだセキュリティーカードができあがっていないので、私が出社するときはしばらく桂木所長と一緒でなければならない。

この憂鬱な気分になる原因が近づいてきているのかと思うと、私は笑顔を見せる気にもならなかった。



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