My darlin' Scientist〜私の彼氏は変わり者〜
すると、桂木所長と一緒にいる人は私に向かって深々と頭を下げた。
短かめの髪を無造作にセットしていて、顔の作りは女性のようにきれい。
桂木所長より少し背が高く、スーツを身につけている。
というか、なぜ毎日桂木所長は私服なの?
今日なんて、グレーのパーカーの中にカットソー。ワークパンツとラフな格好だ。
「早百合ちゃん、こいつのこと紹介しておくね。斎藤 紫(ゆかり)っていって、俺のボディーガードなの」
ボディーガード…?
あぁ、なんか聞いたことあるかも。
研究所長ともなると、産業スパイとかに狙われることがあるとかなんとか。
「新城さん。慎悟から話は聞いています。これからよろしくお願いしますね」
そう言ってまた頭を下げてくる。
かなり礼儀正しい人なんだ。仲良くやっていけそう、かな?
紫さんは秘書業務もこなしていたらしく、引継も兼ねて色々なことを教えてもらうことになった。
――なんかうまくやっていけそう、かな?