My darlin' Scientist〜私の彼氏は変わり者〜



休日は所長以外鍵を開けられないことになっているので、普段ならほとんど人がいない。

入口の内線電話から所長室に内線をかけると、すぐに所長室の扉が開く音がして、セキュリティーロックを解除してくれた。

麻里奈は初めて入る研究所に若干緊張しているようだ。



「早百合ちゃんありがと!…ん?どちら様?」

さっそくパンをかじりながら、麻里奈のことを聞いてきた。
麻里奈の説明をすると、桂木所長は所長室へ案内してくれた。

しかしよれよれな姿の所長。
パーティーの時に着ていただろうワイシャツを腕まくりしていて、下はジーンズ。無精ひげも生えていて、家に帰っていない様子が伺える。

「いや〜あのあと家に帰ったらすぐ呼び出しがかかってさ、そのままずっと…」


確かに別の部屋にも何人か人がいるみたいだった。

そう言うとよろよろとソファーに腰を下ろす桂木所長。


すると麻里奈が急に立ち上がった。

「私、用事があるので失礼します!早百合は置いていきますから」

そう言い残して出口に向かう。
嫌な笑みを浮かべて扉を閉めた。


二人きりになり、どうしたらいいか困っていたら、桂木所長から話を切りだしてきた。

「早百合ちゃん、…今夜俺の夕ご飯作って?」



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