My darlin' Scientist〜私の彼氏は変わり者〜



「ありがとね、今日」

夕ご飯を食べ終えて、桂木所長に送ってもらう車の中で桂木所長からそう言われた。

「満足しました?」

「うん!」

所長は前を向きながらそう言い、さらに言葉を続ける。

「なんかさ、おふくろの味とかいうじゃない?…早百合ちゃんのご飯、すごいおいしかった」

そう答える横顔を見ていると、桂木所長が気を許した人にしか笑いかけない理由がわかった気がした。

なんだかこっちが苦しくなる。
そして、そんな表情よりもいつもの表情が見たいと思った。


「私でよかったら、また作りますからね」

だから、笑って?

―――そう言うのと同時に、車が止まった。
いつの間にか私のアパートの下に着いていたようだった。



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