My darlin' Scientist〜私の彼氏は変わり者〜
今にも雨が振り出しそうな空を見上げて、溜息をつきながら研究所へ歩いていると麻里奈から着信が入った。
『おはよ、早百合!ちょっと聞いちゃったんだけど、』
ものすごく焦った声でまくし立てる麻里奈。
『札幌支店に異動してた、長澤真人!今日付けで本社に戻ってくるらしいよ!情報入り次第メールするからこっち来るときは気をつけてね』
―――長澤、真人。
私の心に、嵐が吹き荒れる予感がした。
私は電話を終えると、急いで研究所に向かった。
あそこなら誰にも会わなくてすむ。
私は、ただひたすら急いだ。