My darlin' Scientist〜私の彼氏は変わり者〜
研究所の皆さんから聞いたことがあるかもしれない。
桂木所長は、変わり者ではあるけどその頭脳は素晴らしく、数々の技術開発に貢献している。
業界内での優位性を保つために、ある程度のわがままは仕方ないということ。
要は、辞めてもらっては困るということだ。
―――だからって、ここまでできるものなの!?
「ちなみに資料室での会話は録音させてもらってるから、最悪懲戒解雇かな?」
長澤は真っ青になって崩れ落ちた。
「二度と早百合ちゃんにいたずらしないでね。さもなければ、お前に毒でも盛って殺しちゃうかもよ?」
俯いていた長澤の顎を取り、しっかり自分と顔を合わせたのを確認してとどめを刺す。
敵に回しちゃいけない人って、こういう人なんだ。
言いたいだけ言ってすっきりしたのか、桂木所長は私の手を取り、軽やかな足取りで部屋を出る。
部屋の外に出ると、なんだか安心してしまった私は、その場にへたり込んでしまった。