My darlin' Scientist〜私の彼氏は変わり者〜
そこからの俺の行動は、実に短絡的だった。
会社の上層部に、長澤をどこかの支店に異動させるように詰め寄った。
当然人事権を持たない俺の要求に上層部は難色を示したが、できないならば俺は会社を辞めると付け加えたところ、二つ返事で了承した。
紫は、俺をさんざん馬鹿にしたが、なんだか楽しそうだった。
―――そして、あれ以降何度も何度もあの子の様子を見に行った。
少しずつ笑うようになった彼女を見れて嬉しかった。
しかし、恋愛感情というものは、意外と面倒なものらしい。
笑っていればいいと思っていたのに、だんだん欲張りになる自分がいる。
そばにいれないならせめていつでも守れるようになろうと、なりたくもなかった研究所長に就任し、チャンスを待った。
―――そして…
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「…おしまい。長かったよね」
全てを伝え、俺は早百合の顔を見れずにいた。
初めての告白。
沈黙がこんなに辛いのだと、初めて感じた。