My darlin' Scientist〜私の彼氏は変わり者〜
気がつくと、桂木所長の左手が私の頬を撫でていた。
―――身体中に電気が走る。
その手はゆっくりと移動し、人差し指が私の唇をとらえた。
輪郭をなぞり、そのあと顎に添えられる。
気づいたときには私の視界は桂木所長でいっぱいで、唇が重なっていた。
触れるだけのキス。
所長の唇、はリップ音をたててすぐに離れた。
かと思うと、呼吸のために薄く開いた隙間から舌を侵入させ、私を貪った。
優しく私の舌を絡め取ると、角度を変えさらに奥へ進んでくる。
「…っん、はぁ、あ…」
部屋には二人の吐息が響いた。
息継ぎのために一瞬離れてはまた絡まる。
あまりの激しさに、私は彼の身体にしがみつくのが精一杯だった。
――どのくらいそうしていたのだろう。
長い間密着していた唇は離れ、再び見つめ合う。
「早百合ちゃん…」
私の名前を呟きながら私を抱きしめる桂木所長。
夕日が射し込む所長室で、二人の気持ちは通じ合った。