My darlin' Scientist〜私の彼氏は変わり者〜
車に乗り込むと発進し、しばらく他愛もない話をしていると、コインパーキングで車が止まった。
ここから歩いてすぐのところらしく、桂木所長はうずうずしている。
路地裏には珍しく、意外と新しいビルの一回を指さした。
看板には『アニマルテラピー&マッサージ LUNA』と書いてある。
「ここね、めっちゃ癒されるの!最近色々あって疲れたでしょ?まったりしよ〜ね♪」
……自分の方が絶対忙しくて疲れてるくせに。
でも、嬉しかった。
桂木所長が先陣を切って入っていくと、受付の隣に自動ドアがある。
中から初老のおじさんが出てきて、桂木所長を見て驚いている。
「あらら、桂木くん!彼女なんて連れてきて〜。ゆっくりしてってね」
おじさんに続いて更に中に入ると、そこには…
たくさんのにゃんこ。
みんな気ままに眠ったり、じゃれあったりしている。
「かわいい………」
疲れなんてどこかにぶっ飛んでしまった。
桂木所長の存在を忘れて、そばにいた猫を抱き上げ頬ずりをする。
かわいい…