My darlin' Scientist〜私の彼氏は変わり者〜
やっぱり掃除は正解だったようで、きれいに片付いた部屋を見て、桂木所長は感心しきりだった。
「早百合ちゃんの匂いがする〜」
「…変態!」
適当に座ってもらうことにして、私はお茶を淹れに行く。
「テレビ見たい〜」
「この本貸して〜」
極めつけには、「ここに住みた〜い」。
最終的にただの駄々っ子になってしまったけど、それもまた新鮮だからいいのかな?
紅茶と、お茶うけにクッキーを一緒にテーブルまで運ぶ。
「早百合ちゃん、こっち座りなよ。いただきます♪」
紅茶をすすりながら、彼は自分の隣の指す。
私は、ぎこちなくそこに腰掛けた。
…微妙な距離をとって。
桂木所長がつけたテレビからの音が、かろうじて気まずい雰囲気にならないよう助けてくれている。
テレビの内容なんか、全く頭に入らないよ。
そのとき、桂木所長の左腕が私の肩を掴み、引き寄せる。
密着した右半身に全神経が集中する。
「本当にただお茶飲むだけだと思ってるの?」
耳元で囁かれ、ますます緊張してくる。
当の本人は、私の髪をくるくるといじっている。