My darlin' Scientist〜私の彼氏は変わり者〜
母はあっけらかんとした口調で話し出す。
『早百合。あなたにお見合いの話があるから、週末帰ってきなさい』
お見合い…
って、なに言い出してるの!?
「なにを勝手なことを言ってるの?それに、私付き合ってる人いるから困る!」
今、所長室には誰もいないので思う存分大声を出せた。
こんな姿は誰にも見られたくない。
『嘘おっしゃい。とにかく、帰ってきなさいよ!』
―――ガチャっ!
脈絡もなく一方的にそう告げる母に、こっちから電話を切ってやった。
普段はなにも言ってこないくせに、急に無理難題を突きつける。
こうなると直接会って説得するほかない。
一番は慎悟さんを連れて帰ることなんだけど、この忙しい時期にこんな話は切り出せないし…
「早百合さん?なに頭抱えてるんですか?」
ナイスタイミングで、紫さんがたくさんの書類を抱えて部屋に入ってきた。