My darlin' Scientist〜私の彼氏は変わり者〜
紫さんに事情を説明すると、非常に難しい顔をした。
「慎悟は今身動きとれないですからね…。なにかいい案を考えておきますから」
やっぱり慎悟さんには頼れないか。
私一人でどうにかしなきゃ!
紫さんにも迷惑かけられないしね。
……なーんて悠長に考えていたわけだが、私の母は一枚も二枚も上手だった。
「新城さん、研究所の入口に新城さんのお客さんって人がいたけど?」
翌日、なんと例の婚約者が自ら上京して来たらしいのだ。
そう言われた私が疑いながらも研究所の外を覗くと、気づかれてしまったらしくこっちへ走ってきた。
―――桂木所長にばれないうちになんとかしなくちゃ!
私はあわてて外へ向かった。