My darlin' Scientist〜私の彼氏は変わり者〜
私が外に出るとすぐ、緊張した面もちで彼は話し出した。
「新城早百合さん!先日祐子さんから連絡があったかとは思いますが…帰ってきてくれなそうだったので僕の方から来ちゃいました」
祐子とは母の名前。
どうやら本当に婚約者のようだ。
すると、背後から一番聞かれたらまずい人の声がする。
「…早百合ちゃん、どちら様?」
「上司の方ですか!僕は清水晃浩(しみずあきひろ)と申しまして、早百合さんと婚約することになっております!」
清水は空気を読まず話し続けている。
「…ふぅん」
顔は笑っていても目は全く笑ってない。
万事休す、ってこういうことなのね。