My darlin' Scientist〜私の彼氏は変わり者〜
私が何かを言う前に、慎悟さんは清水に向かって話し出した。
「早百合ちゃんは俺のなの!勝手に婚約者呼ばわりしてんじゃねぇ!」
―――忙しくてろくに寝てないのにこんな展開になったら、誰でも相手を怒鳴りつけるだろう。
例の清水は、すっかり硬直している。
「おい!慎悟なに騒いでるんだよ」
案の定紫さんが飛んできてくれた。
勘のいい紫さんは私と外の男性を見て、察してくれたようだ。
「取りあえず中に入れるから…。早百合さん、慎悟頼みますよ」
いつでも冷静沈着な紫さんは、颯爽と入口へ向かう。
部屋には、私と慎悟さん。
「…あの人、誰?」
私だって初対面です…。
私は、昨日母から電話があったことと彼とは初対面だと言うことを話した。
すると、慎悟さんは私の頭をくしゃくしゃに撫でた。
「俺に頼ってよ!確かに今は忙しいけどさ、早百合ちゃんの為なら時間作るもん!」
そう言って軽くキスをすると、応接室に行こうと促された。