My darlin' Scientist〜私の彼氏は変わり者〜



「で、どうしたいの?」

応接室で紅茶を一口飲むと、単刀直入に慎悟さんが尋ねた。

すると清水は、膝の上で握り拳を作り慎悟さんを見据えて答えた。

「…僕は、早百合さんと結婚を前提にお付き合いさせていただきたくて今日参りました。」

話を聞くと、彼は私の地元の総合病院の跡取り息子で、母の主治医らしい。
ある日母が私の写真を持ってきて、一目惚れしたとのこと。

「ふぅん…ちなみに、地元ってどこ?」

「仙台です」

「なるほど。じゃあ、週末仙台に行こう!」


あっさりとそう言い放つ慎悟さんを見て、私も清水もただ目を丸くするばかりだった。
紫さんだけ笑いをこらえている。

「牛タン食べよ〜♪」

慎悟さんの頭の中はもう仙台モードのようだ。

清水晃浩は苦笑いを浮かべ、今日のところは予約しているホテルへ帰ると言い残し、去っていった。



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