光のうみ
ハンバーガー屋の窓から見える車を、
目で追いながら、
男の子は、はしゃぐ。

「車、乗りたい?」
私が聞くと、
ウンウンと首を縦にふりながら、
私の洋服の裾を握って引っ張った。


ハンバーガー屋を出て、タクシーに乗り、運転手に
「東京駅まで」
と告げた。

「こんでるから、時間かかるかも知れないけど良い?」
運転手は、ぶっきらぼうに言って、
私をミラー越しに見ている。

「お願いします。」
私が言うと、
タクシーは走りだした。
< 15 / 41 >

この作品をシェア

pagetop