光のうみ
「ママ似てる。」
男の子は言った。

お母さんが恋しいのかと、
複雑な気持ちになる。

私は、ため息を小さくついた。

男の子は、
雑誌を私の顔の横に持ってきて、
「ママ、似てる」
と、また言った。

私は驚き、
自分の顔を指差し、
「私が、ママ?」
と、男の子に聞いた。

男の子は
「うん。ニー。」
と笑いながら、コクンとうなずいた。

私は嬉しかった。

単純な性格だと、
自分で気付いてはいたが、
こんな事で簡単に舞い上がれる自分にビックリだ。
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