星の帰る場所
“原田 運転してもらって良いか?”
“貸しだからな”
車は 走り出した
竜は煙草に火を点けながら“オマエ 売りやってるのか?”と静かに聞いた
“…だったら?”
“なんで 売りやってる?”
“帰る所がない それに金がないと生きていけない”
“オマエは それで良いのか?”
“じゃあ… じゃあ なんで アンタはヤクザなんかやってるの?”
“・・・。”
“とにかく…
とにかく 売りは止めろ 金がなくて生きていけないなら 俺の所に来い オマエひとりぐらいなら面倒みる”
“それから 俺… ちゃんと働くわ
まとまった金が入るまでは 世話になるな…原田”
“世話するのは俺じゃないからな 女だからよ”
“ありがとな”