星の帰る場所
私と竜は ふたりで風呂に 入った
竜の背中には 竜が天に昇っていく刺青が施されていた
服を着ていると分からなかったけど 締まった身体をしていた
始めて 男なんだと実感した
“背中 触ってもイイ?”
竜は 頷いた
背中の竜を触っていたら
“してもイイ?”と竜が 聞いてきた
一瞬 何の事か分からなかったけど そういう事か と思い 頷いた
竜の手が 髪を撫でる
竜の手が 首筋を触る 竜の手が 胸を触る
女に生まれてきた事が こんなにも愛しいと思ったのは これが最初で最後だった
初めてkissをされた
胸が ドキンと鳴った
竜の手が 竜の背中が 竜の身体が
こんなにも愛しい
“入れてイイ?”
頷く
だけど 身体は拒否反応を示した
“ごめん。やっぱりできない…”
“気にしなくて良い 遥がしたくなったらで…”
竜は ただ一言残して 風呂を出た
…涙が溢れた