星の帰る場所
何日も何日も 眠れない日が続き 次第に食事も喉を通らなくなった
見兼ねたレイさんが 少しは 気分が楽になるからと 小さな粒のクスリをくれた
それを飲むと 身体がフワフワして 何も考えなくて良かった
何もかも なかったみたいに思えた
レイさんからもらったクスリは いわゆるドラッグだった
日ごとに量は増え バイトは出来なくなり アパートにも帰らなくなった
クスリをもらいにアパートに行き 飲んでは街に出て行き 気が付けば公園で寝ている事が多くなった
いつものように クスリをもらいにレイさんの所に行くと 普段昼間にはいない原田さんがいた
“レイさん アレもらえますか?”
“遥 アンタやばいよ。もう止めな”
“金は 払うんで…もう少しだけでも いいんで下さい”
“遥 オマエに話しがある”原田さんが口を開いた
原田さんは“遥に2度と渡すなよ”とレイさんの頬を軽く叩いたが その声の低さには いつも以上に 威圧感があった