星の帰る場所
もうダメだ これ以上聞いてられない…
そう思ったと同時に私の身体は勝手に走り出していた
屋上の階段を翔け降りる
早く忘れなきゃ
早く忘れなきゃ
階を降りるにしたがって 涙が溢れて前が見えなくなる
もう走れないや
ヘタレだな…
階段の踊り場で 座り込んでいた
“馬鹿かオマエは”
私の大好きな声だ
“星也!”
“初めてだな オマエの口から その名前で呼ばれるのは”
優しい星也の手が 頭を優しくポンと叩く
“行こう”
星也は 私の手を握り 階段を昇った