星の帰る場所
竜は 2か月の間 毎日やって来ては 私に食料を配給した
竜の仲間の柄の悪いヤツ達は “臭い”だの“汚い”だのと言って私には近付かなかった
だけど 竜は違った
汚い格好してる私を見て “お前には素質がある”“お前の乳がデカくなったら 俺の女にしてやる”など言って 私をからかった
“オマエも 俺と同じだな”
頭の片隅にいた言葉が 次第に全体を埋め尽くす
“ねえ。私とアンタが同じって どういう事?”
“オマエってさ。家庭環境 複雑だろ?”
“な、何言ってんの?”
私の触れられたくない部分を 触れられた
“俺さぁ。母ちゃんも父ちゃんもいないんだょね ガキの頃に今いる組の親父に養子縁組してもらってさ それから俺はヤクザの子ども
親父は厳しいけど 良い人だよ…”
少し優しい瞳になる竜