悪魔の妹と天使の彼女
「お兄ちゃん、そんなに力を強めたら駄目!」
しかし、そんな言葉は耳に入らなかった。
俺はレイトを倒す事しか頭になかった。
「行くぞ。」
また守りたい力を高めてレイトに光の玉を投げた。
何回か投げていたら当たる回数も上がった。
「こいつ一体どうなってやがるんだ!」
「俺は守りたいと思う気持ちで力が強まるみたいでな。」
「そんな事したらお前の命に関わるんだぞ?まだ完全に天使としての力は戻ってないだろ。」
それにはミエルも言葉を発した。
「そうだよ?これ以上強めたら、お兄ちゃんの命も危ないよ。」
俺はミエルに言った。
「これは、ミエル達を助ける為でもあるんだよ。俺が力を使わなかったら皆が消させてしまう、そんなんだったら俺は自分が消える事を選んだまでだ。力を増大させると命も危ないって言うのはサリリに聞いたから分かってる。それでも、俺は皆を守りたいんだ。消えて欲しくないんだ・・・」
それを聞いてレイトは笑った。
「涙ぐましいね。でも、ミエルもお前もここで消えるんだよ。何なら一緒に消してやろうか?俺の最強魔法でな!」
それから何か呪文を唱え始めた。
ちょっとすると空が暗くなって来て何か大きな悪魔が降り立って来た。
「何だこいつ・・・」
「くくく、これが俺が呼び出せる最強の悪魔『カオスデーモン』だ。さあ、カオスデーモン、こいつらを一掃しろ!」
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