悪魔の妹と天使の彼女
「でも、油断は禁物だよ?けっこう、神経もやられているから退院してもちょっとの間は通院してもらうけど良いかね?」
「分かりました。」
そう言って出て行った。
「俺も気分転換しに行くか。」
そう思って病室を出て廊下をしばらく歩いていると
「和也。」
と呼び止められた。
「北本さん。」
そう呼ぶと
「もう、みずくさいな。私の事は日菜で良いよ。」
と指摘された。
「で、日菜は俺に何か用?」
「いや、どこか行くんだったら一緒にお供しようかなと思って。」
「気分転換に行くところだから一緒に行こう。」
「じゃあ、最適の場所があるよ。」
そう言って、手を引っ張られて屋上に行った。
「風が気持ち良いでしょ?」
「ここは良い穴場だな?」
「あはは、私が見つけたんだよ。」
「日菜はいつから入院してるんだ?」
「えっと、半年前かな?どうして?」
「いや、何となく気になって。」
それからちょっと無言になった。
その沈黙を破ったのは日菜だった。
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