悪魔の妹と天使の彼女
「そんな呑気にしてたら本当に消されるよ?ボクはお兄ちゃんを心配して言ってるんだよ?」
「それは百も承知だよ?でも、どうやって対処したら良いんだ?」
ミエルは黙った。
「ミエル?」
「ごめん、対処法って言ってもないんだよ。逃げるか関わらないか。ボクも気をつけるから。」
ミエルは何かを考え出した。
「どうかしたか?」
「ちょっとお兄ちゃん、黙っててくれる?」
と言い、目を閉じて何かを感じている。
目を開けるなり、目つきが変わった。
「確かにいるね・・・」
「何が?」
「お兄ちゃんが言ってた男だよ。それも近くまで来てる。病室じゃマズイから屋上に行こう?」
「え!?」
返事を聞かずに俺は手を引っ張られて屋上に連れて行かれた。
「はあはあ、本当にいるのか?」
「ボクの魔力が確かならいるよ?」
ミエルはずっと目つきを変えて何かを見つめている。
そんな事を思っていると
「来るよ。」
とミエルが言った。
その時、あの男が悪魔の羽を羽ばたかせて飛んで来た。
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