悪魔の妹と天使の彼女
「天使の力の解放?」
「そう、お兄ちゃんには今、全然天使としての自覚すら目覚めてない。でも、それを目覚める方法は一つ。堕天使との契約。」
「何で、天使の力を解放するのに堕天使との契約なんだ?」
「今はまだ全然、天使の力がないからまずは堕天使と契約を結んで、それである程度力を取り戻したら天使と正式に契約を結ぶ事になる。」
俺は堕天使と聞いて一番にネユカが思い浮かんだがミエルは自分のもう一つの人格がネユカと言う真実を知らないので黙っておく事にした。
「堕天使ってどこにいるんだよ。」
「お兄ちゃんは知らないと思うけどボクの昔の名前はネユカって言う堕天使だったんだよ?」
その言葉を聞いてビックリした。
「昔の名前?」
「そう、ボクは天使界にいた頃から堕天使だった。天使になる一心で頑張ったけど、サリリお姉ちゃんには勝てなかった。その上、親からも見捨てられてボクは悪魔界に旅立った。その時、捨てた名前がネユカ。だから、ボクは堕天使の片割れって事。」
その真実を聞いて何も言えなかった。
俺はネユカはミエルのもう一つの人格とばかり思っていたがネユカはミエルそのものだったとは。
「ミエルがネユカ本人だと言うのか?」
「まあ、そう言う事になるね。でも、ネユカと言う名前はこの世にないけどね?ボクが悪魔と契約したと共に消え去ったよ。」
俺はあのいつも出てきてるネユカは何なんだと疑問に思った。
「じゃあ、ミエルと契約したら良いの?」
「ボクとじゃ駄目だよ。」
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