ケイカ -桂花-
なんだか盛り沢山なデートだった。

映画見て、ご飯食べて、水族館行って、お茶して、観覧車乗って・・・。

任せて、と言っただけあって、スマートに宮崎がリードして、そしてさりげなく手を繋いだ。

映画は私の見たかった恋愛物ではなくアクション物だったけど、始まるとすぐに熱中し、見終わった頃にはスッキリとした気分になった。

ご飯もおいしかったし、水族館のイルカはかわいいし、観覧車から見える景色も最高だった。

楽しかった分、帰り道は切ない。

もっと一緒にいたいのに、この手を離したくないのに、空はどんどん暗くなってくし、足は私の家の方へと向かっている。

「俺の行きたいとこばっかだったけど、良かった?」

「うん。楽しかったよ」

今日はこれで終わり、みたいな会話がさらに切なくさせる。

次の約束をしておかないともっと切なくなるから、今度また・・、そう言おうとした。

が、一瞬宮崎の方が早かった。

「予定には無かったけど、公園寄らない?」
< 114 / 219 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop